コントラストが美しい
   

長年お断りをしていたのですが、懐中時計の乗せ換えを行い、
懐中腕時計?を製作しました。

ケース自体は当店では製作しておりませんので、現代の腕時計自体を入手しての作業となります。

まず、グラスバックにする為に、元の裏蓋をくり抜き、ガラスを嵌める段を製作して行きます。

少しづつ加工して行き完全にして完成。

その後、機械を嵌め込む為のスペーサーを製作して行き、完璧に機械と合せ、
嵌め込んだ時に機械がケースの中で、動かない様にして行きます。

この作業での妥協は厳禁。元の固定するネジを使用し無くても
完璧に機械をケースに固定する事が出来る様にする事が絶対。

ここで使用する素材ですが、鋼でも良いのですが機械、ケースに傷などをつけない様にするには
明らかに真鍮の方が良いので真鍮を選択。

またリューズ周りもアメリカ時計は構造自体がスイス時計または現代の時計とは当然違いますので、
幾つか部品を新規製作して行き、ケースも加工をして使用出来る様にして行きます。

巻き芯なども新規製作、リューズも新しいのを取り付け完成。

機械自体は普段使いですので、レストアをし、ご要望のネジの青焼きをし、
針も青焼きし直して完成。 実際のコントラストは画像よりも遥かに綺麗です。

機械は、0サイズのマキシマスですので最高級、0サイズでハンターのマキシマスも珍しい。

さて、かなり簡素に説明をしていますが、完成度の高さ、そして美しさを求めておりますので、
ただ単に乗せ換えれば良いと言うのでは意味がありません。
ですので非常に手間の掛かる作業と言うのは言うまでも無いでしょう。

現代の腕時計ケースに美しく乗せ換えると言うのは、中々大変なものです。

ある意味、世界で一つの時計が完成?